【Q&A】二重身分の相続分について

財務・税務・会計関連
質 問

被相続人には、配偶者、長女、次女、そして生前に普通養子縁組をした孫がいます。
長男は、被相続人が亡くなる前に他界しています。
この場合、各相続人の法定相続分はどのように計算されますか。

 

 

解 説

相続人は、(被相続人の)配偶者、長女,次女,孫の4人です。

孫は「普通養子縁組」により、長男とその妻(実親)との親子関係を継続しつつ、新たに、被相続人との親子関係が生じています。

また、被相続人が亡くなる前に長男が亡くなっているので、長男の子である(被相続人にとっての)孫は、長男の代襲相続人となります。

したがって、孫は被相続人の子(養子)としての身分と、長男の代襲相続人という2つの身分を有することになります。

孫の相続分の計算にあたっては、孫の2つの身分を考慮し、子供が4人(長女,次女,普通養子としての孫,代襲相続人としての孫)いるものと想定して計算します。

相続分は配偶者が2分の1,子供全体で2分の1となりますが、子供全体の相続分の「2分の1」を子供4人で分けるイメージです。

したがって、子供1人当たりの相続分は、1/2×1/4=1/8(8分の1)となります。孫は2つの身分を有するので、相続分は1/8×2=1/4(4分の1)と計算されます。

結果、相続分は、配偶者:2分の1,孫:4分の1、長女:8分の1、次女:8分の1となります。

なお、孫は二重の身分を有しますが、同一人なので法定相続人を2人として計算することはありません。相続人の数は配偶者と長女、次女、孫の合計4人となります。(相基通15―4)

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